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我が息子にはじめて絆を感じたのは、息子の、ある涙を見たときだった。

まだ一歳になるか、ならないかのころだ。

言葉も”ママ”とか”しっこ”とか、ほんの少しだったから、息子の涙は、あまりにも幼かった。

そんな中での、あの出来事であった。




そのころ、私は息子と二人で生きていく、と決め、肩に力が入り過ぎていたのだと思う。

息子は生後3ヶ月、首も座らないうちから、保育所に預けられた。

朝、息子を預け、仕事を終えて引き取り、帰宅して食事、入浴、翌日の仕度、という、ワーキングマザーなら、ごく普通のパターンなのだか、生身の赤ん坊相手に、実際には困難の連続だった。

親は自分一人なのだから、頑張らなければと、思えば思うほど、思いと現実はバラバラ。

今にして思えば、それで当たり前、と言い切れるのだが、当時はどうしても気持ちにゆとりがなく、泣くのが仕事の赤ん坊の息子を”よしよし”とあやすことさえ忘れたこともあった。

夜中に泣いて起こされ、立ち上がると、体中の節々がボキボキと音をたてているようで、身も心も疲れていたのだ。

その晩、息子は帰宅してから、ことさら泣いてばかりだった。

熱がある様子もない、気分転換に部屋の外に連れ出して、あやしてもダメであった。

具合が悪いのかな、と思う冷静さもなく、かといって、今に泣きやむだろう、と楽天的にもなれず、なんと、私は爆発してしまったのだ。




「お願い!どうして欲しいのか言ってよ!泣いてばかりじゃ分からないわよ。泣きたいわよ!ママも…」

そう叫んだ。ハアハアと肩で息をしていた。

メチャクチャである。

幼子に言っても、始まらないことは分かりきっているのに。

息子はますます泣いた。

そのうち、息子は泣き疲れたのか眠ってしまい、私も、いつのまにか息子のそばで一緒に寝てしまった。




そして夜半。私は目覚め、台所に立ち、洗い残しの食器を洗いはじめた。

ひっそりとした深夜の台所で一人、そうしているうちに涙があとからあとから溢れだし、止まらなくなった。

涙の理由はひとつではなかった。

なにも、息子が泣きやまなかったからではない。

息子にかわいそうなことわしたという悔い。

堪え性のない自分の情けなさ。

やはり自分は、親になってはいけない人間なんだ、という責めた。

そして、何故、私はひとりなんだ、という本心が、全部、一気に吹き出した涙であった。




「どうして、どうして……」と声を漏らしながら、泣き続けた。

やがて、背後に人の気配を感じた。

自分と息子以外に誰もいるはずがない。

もしや、と思い、振り向くと、そこには寝たとばかり思っていた息子が立っていた。

まだしっかり歩けないのだから、柱や壁を伝って、やってきたのだろうか。

驚きと同時に、泣いていたのを見られたのかと、心臓が止まりそうになった。

しかし、その時の私は、自分の涙を拭くことさえ忘れ、息子の目の前で、ベタッと座り込んでしまった。

一言も発せず、まるで金縛りにあったように。

息子の方は明るく微笑んでいるようであり、ひとりで歩いてこれたでしょ、と誇らしげでさえあった。

息子は、私の泣きじゃくった顔をじっとみつめた。

そして、自分の左右両方の指で、私の両目の涙に触れると、そのまま、ゆっくりと私の涙を拭いた。

私は、まるで子供のように、ただただ、されるがままだった。

すると、今度は、私が映っている息子の両目に、うっすらと涙がにじみ、溢れだしてきたのだ。

息子は、こんなに幼いのに、私の哀しみを知ったのか。

そして涙しているのだろうか。

私は息子に助けられたのだ。

一人で苦しんで泣くなんておかしいよ、そういっているのではないか、この子は。

「ごめんね、ごめんね」

そういいながら、息子の涙を、息子がしてくれたように私は両手の指で拭いた。

もう、私の涙はどこかへ、すーっと消え去っていた。

そして、かわりに、自分は息子に支えられているのだ、という実感に、はじめてつつまれた。




その後、どうしたかとか、何を話したかなど、何も覚えていない。

ただ、まるで私の涙が息子に瞬間移動したようなあの一瞬。

決して忘れることはない。

今も手探りの子育てであるが、あの一瞬のあざやかな記憶が私ょ支え、ときに、無言で私に問いかけをし、勇気を与えてくれる。

私の絆、教えてくれたのは息子である。

  1. 2011/12/10(土) 18:08:33|
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